2013年9月6日金曜日

真の、ホスピタリティ・サービスの実現を目指して~②



「ホスピタリティ・サービス力の継承・育成」

先月末、8月29日更新の、
高接遇サービス&ホスピタリティの現状~②
「ホスピタリティ・サービスという考え方」という更新の中で、ホスピタリティと、サービスの大きな違い、そしてその上で新しい概念である「ホスピタリティ・サービス」の提唱のお話をしました。

顧客に関して思いがけないサプライズと「ここまでしてくれるんだ」という感動、それこそ「ホスピタリティ・サービスが生み出す付加価値ですが、以上を概念として捉えた上で、いかにして「最高のおもてなし」を企業として実践して行くか。

さて、次回更新からは、「感動の創り方」と、少し肩の力を抜いた「人生を楽しみながら生きる」の、二つのテーマを交互にお話して行く予定ですが、今回は、ビジネスライクな指導職としての考えについて、少し固い話になりますがお許しくださいませ。

この世の中の「ホスピタリティ・サービス」の世界で生きる指導職の皆さんを拝見して多くに言えることですが、部下の育成に関して、営業戦士としては育てられても、お客様の琴線を揺さぶる様な感受性豊かなおもてなしスタッフに育てることに対して、苦手意識を持つ方が多く見受けられます。
もし、今、責任職相応の立場以上の方は一度、ご自分はどうか、考えてみてください^^

自分が新卒や若い頃は、「いかにお客様に喜んで頂けるか」、「どうすれば感動していただけるか」、そればかり考えていたはずなのに、立場が上がり現場を離れると、いつの間にか少々のことでは動じない、感動しない自分。そして、おもてなしの心が良く理解できない新卒生を「ゆとり世代だから」「最近の若い奴は」と、仕方ないな、と考えてしまう傾向が出てくる。
それは、老化の始まりですよ、注意してくださいね(笑)
あ。もちろん私も含めてです。怒らないでくださいね^^;

これは以前の更新でもお話しましたが、古代ピラミッドに象形文字で「最近の若いものは…」と書かれているそうです。
人類始まってから、悩みの種は変わりがない、ということなのです^^

私が言いたいのは、新卒が理解しない。それは時代のせいでもゆとり世代のせいでもない。
では何故か。

ホスピタリティ・サービスの世界で生きていらっしゃる指導職の皆さんは、「一期一会」「おもてなしの心」持っていて当然ですよね

ですが、新卒時から、その精神を理解していたでしょうか。頭では理解出来ていても具体的には、という方が殆どではないか、私は新卒面接を数千人と重ね、過去の経験から気付いたことなのですが、いきなり「一期一会」「おもてなしの心」を持ち合わせている人材は殆ど皆無と言って良い程、いません。

儒学の荀子の性悪説では無いですが、
「孔子も最初から聖人君子であった訳ではない」
要するに、学問と躾の重要性を学んで聖人となった、という考えですが、この点に関しては私も同意見です。
要するに知るか知らないか、だけです。
知らないことは悪では有りません。知って実践出来れば良いことなだけ。

いつの時代も指導者が、感動のメカニズムに対する原点(先ずは当人の心に衝撃を与え感じさせる事)から丁寧に理解させる。その対象は先ずは顧客ではなく自分の部下に対して。

育成対象者自らを感動させることが出来る育成方法が取られなければ、いきなり「一期一会・おもてなし」レベルには、はっきり言って行き着きません。

学校に例えると、「一期一会の精神の理解」は、高等学校レベルだと思いますよ^^
いえいえ、大袈裟では無く。
小中飛ばして高校からですから、いきなり求めても、本当の意味での「一期一会の精神」、「おもてなしの心」からは程遠い答えしか出ないということです。

それは私自身がこの世界に入った時、そうでしたもの。
正直、おぼろげにしか理解できていませんでしたから^^
原点が理解できてない訳ですから、実際にお客様に対して、おもてなしの押し付け、なんて結構ありましたね。何で思う様に喜んで頂けないんだ?みたく上から目線で。
結果、上手く行くはずが無く…。
私自身の、恥ずかしい過去です^^

さて、話を戻します。
真のホスピタリティ・サービスの育成に最も必要な項目。
それは先ずは「真心」、そして「思いやりの心」。
(しつこいですが、このふたつを合わせて忠恕=ちゅうじょ、と言います。「仁」の語源」

人間であれば基本的に持っている忠恕の心は、受験戦争や就職競争によって、多少なりとも曇ります。
社会人になって自らの組織にやって来たら、先ず、それをピカピカに磨き直す必要があるのです。

新卒者の感性を解放させ、自らが日々の業務に感動出来る様に仕向ける。
自分自身が体感し、感動して涙を流せる様なスタッフでなければ、顧客に対して本当の感動やサプライズを与えることは到底出来ません。
先ずは、自身の感性をむき出しにさせて、喜びも失敗の悲しみも、心全体で感じさせることが最も重要だと私は考えます。
そして真心。
損得無く自分が働いている理由は正直に何か、それが綺麗事でなく言えて、会社や顧客や仲間に対して、自分に出来ることを、心から行いたい、そう思わせることが出来る育成。

ちょっと余談で若い方々に大変、恐縮ですが、私は自身の感性に関しては若い方に負けることはありません。
それは常日頃から磨いているかどうか、ただそれだけなのです。

「感性を磨く?なんだそれ」
そうかも知れません。しかし、簡単に説明すると・・・

新卒生が元々持っている感性をむき出しにして感動する → 自分も一緒に感動する(その姿は先ず見せませんが(笑))

新入社員がお客様対応に緊張しながらも真心と思いやりの心を持って接する → 部下の成長に自分自身が感動して自ら成長する(部下の成長は、日々、感動の連続のはずです)

ただ、それだけのことなんですよね。
お陰で43歳が近づいた今でもまだ、発想力も行動力も若い子には負けません^^

「感性は人それぞれ。百人いたら百個の感性を持っている」
賛否両論あるのを前提で書きます。
ただ、私はこの言葉が正直、好きでは無いのですよ。
個性化の時代、と言いますが、個性推奨なんて戦後からずっと変わらずある。

私の少し前の時代の成人は「新人類」なんて呼ばれていましたね。
「なめ猫」の時代ですよ、「なめ猫」w。若い方は知らないか(笑)
もう20年以上前の話です。その頃流行った「新人類」という世代
ですが、それより古い世代からしてみたら理解できないと…。

時代や世代によって、真理は変わりません。
「だから、百通りの個性を認めるというのは、個人に責任を任せる」という、無責任な放任主義にしか私には聞こえないのです。
社会にて、部下を持つということは、師弟同行。少なからず、部下と部下の家族の人生を左右するわけです。

私はドライなのか、それとも自己判断範疇での育成をと考える為か、判断はお任せしますが、100通りなど先ず無理。
大まかに8つくらいに分類しています。
システマチックに分類分けをした後、その子、その子に対して本当に最大で8通りですね、それぞれ課題を出します。

結果、1ヶ月経った時。
皆、同じところで感動して、同じ方向を見て、仕事に対して同様に貪欲な姿勢を見せる様になる。

私は、セミナー講義の一環として、「感動のメカニズムを知り、理解させる」という項目にかなり時間を取ります。
ただそれは責任職向け。

一般職の人たちには、いかに感性をむき出しにして本来持つ、真心と思いやりの心を明らかにさせるか。

私がメインで活動する婚礼業を含む「ホスピタリティ・サービス」業は、新しい産業的に分類すると「第5次産業」で「情緒産業・感受産業」と言われるものです。
それを理解して、感動を商品にして営利団体として生きて行く。
綺麗事ではなく、それをしっかりと理解できれば原点には「感謝」しか生まれないはずです。

感謝こそ、最大の原動力。これは次回、テーマとして書きますね。

前回に引き続き、宣伝で申し訳御座いませんが、新人・中堅スタッフの企業人への育成。

「個人から企業人へ」のセミナーは、婚礼業務に関わらず、いわゆるサービス業(私の提唱するホスピタリティ・サービス業)で行っています。
少しでもご興味があれば、お気軽にお問い合わせくださいませ。

今回はめっちゃ、長くなってしまいました。
本当に申し訳御座いません。
読んで下さった方々、心から感謝致します^^

いつも有難う御座います!!

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