2013年9月6日金曜日

人生を豊かに生きるために~②

「For you と For me ~貴方のためにが私のために」

日本には「情けは人の為ならず」ということわざがあります。
「人に『情』を注ぐことはその人を救うだけではなく、巡り巡って自分に戻ってくる」という意味です。

答えから書きますと、自分自身の心を満たす為の一番の近道は、「人の心を満たす生き方をする」ということです。
これは後でご説明しますが、何も自分は後回し、自己犠牲の精神を持ちなさいという教えではありません。むしろ真逆です。

たとえば貴方が外科医だったとしましょう。やって来た患者さんは長年、難病を患い家族も心労が絶えません。
貴方は手術のために過去の論文を読み漁り、やっと成功する方法に辿り着きます。そして全力でその患者さんを執刀し、結果、成功。
患者さんはみるみるうちに健康を取り戻した。
ご本人とご家族の喜びはこれ以上ないものでしょう。
「先生、ありがとうございました」と感謝の握手を求められる訳です。

私がもしその外科医だったとしたら・・・
手術を成功させたこと、それにより患者は再び生きる喜びを感じ、家族は元の幸せな生活を取り戻すことができたのです。
これほど、外科医をやっていて良かった、と思う喜びはない。
きっと、ご本人よりも自分の方が心は満たされることでしょう。
それこそ、患者さんとの巡り合わせに心から感謝します。

さて、これが自分の為に、だとどうでしょうか。これも私の場合です。
手術を成功させたことで自分の執刀医としての評判も鰻上り(うなぎのぼり)でしょう。それは自分のプライドを満たしてくれます。
でも、患者さんからの謝礼の額が少なくてイラッとするかも知れません。
あれだけの難病から救ってやったのに感謝の気持ちが足りない、と(笑)
折角、満たされたはずの心も、すぐに枯れてしまいます。

前者の場合は、自分の心が満たされた上に、評判も鰻上り。そのことによりあらためて患者さんへの感謝の気持ちが芽生え、さらに心は満たされ続ける訳です。

どちらの人生が幸せか。
私が経営者セミナーで、一番最初に話をさせていただくテーマです

人を育てるには時間が掛かります。
「こんなにやってやってるのに」や、「あいつは俺に対して感謝の気持ちがない」などと考えてはいけません。
自分に対する対価を求めるスタンスでは部下は育ちません。

部下に対する愛情は見返りを求めてはいけない。子育てと一緒です
愛情を込めれば込めるだけ、部下は成長し、そして人を幸せに出来る立派な人間に育ちます。
それが、自分に対してである必要はないのです。

部下がその下の部下を愛し、育てることが出来るようになれば、おのずと会社は繁栄する。
結果、自分の元に帰って来るという訳です。

さて、冒頭で触れた「自己犠牲」ですが、私は完全に否定します。
これこそ傲慢な考えだと私は考えています。
何故ならば、人はひとりで生きている訳ではありません。
「自分はどうでもいい、周りの人が幸せになるなら」
とても崇高な考えに一瞬、思いますが、その自己満足の陰には犠牲になる家族やパートナーに強いる我慢があるのです。
そして、結果が思わしくない場合、「自分を犠牲にしてまで、こんなにつくしたのに」という不満が出て来ます。

先ずは自分が幸せでなければ、生んでくれた両親に申し訳ないと思いませんか?
ですので、人のために生きるということは決して自己犠牲ではない
結果、自分を含めた皆が幸せになるということです。

「For you と For me ~貴方のためにが私のために」
というお話でした^^

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