2013年9月6日金曜日

危機の時代のリーダーとして活きる~②



「道を守って生きていれば孤立する。だがそれは一時のこと」

さて、前回の続きです^^
前回に出した問題をあらためて書きますね。
※ 出来れば前回の更新も読んでくださると有難いですが^^

私が、とある経営者セミナーで講師の先生に出された質問。

貴方は○○交通の支社長です。
まさにメルトダウン直前、24時間という制限の中、100人の部下(バスの運転手)を差し出し、被爆対象となる(可能性のある)エリアに住む、8万人の命を救って欲しいと、国から本部の社長を通じ、依頼があったそうです。

本来であればこれは「命令」のところ、時の党首が民主党だったため、あくまでも「依頼」だったそうです。
※ 何故、命令なのかは、有事の際に住民の避難を最優先する約束のため、エリア独占にてのバス運営を約束されていたから。

さて、貴方は支社長としてどの様な判断を下すでしょうか、という質問でした。

先ず、80名近くいた受講生(経営者またはそれに準ずる人たち)の答え。

「8万人を救うために100名の部下とバスを出す」
と、答えた人は、おそらく15名くらいだったでしょうか。

出さない理由として
「100名の命も8万人の命も、重さに変わりはない」
「経営者としての私が全ての責務を取るので、部下を危険に晒せない、よって行かせない」
「自分が行く(これは意味がわかりませんでした^^;)」

私は、「8万人の命を救うために部下とバスを出す」と答えたので上記判断が正しいとも間違っているとも主観では言えませんが。

ただ、この問題は引っ掛け?ではないですが、

「有事の際、住民の避難を最優先するためにエリア独占にてのバス運営を約束されていた」

という点に着目していただきたいのです。
人の命の重さは変わらない、というのであれば、「行かせない」との判断を取れば、間違いなく8万人は被爆するのです。

中には乳飲み子を抱えて動けない母親、病院で寝たきりのご老体。また、彼らに対する責務で、助けが来ない限り自分自身と家族も運命を共にするという方も多くいらっしゃるでしょう。

リーダーの判断で行かせない。
「お前たちを危険な目に合わせる訳には行かないんだ」
先ずは納得する。なんて出来た支社長だろう。ですが、人間は考え悩みます。
そこに矛盾が出てきて100名の部下たちは、後々、後悔に苛まれるでしょう。
自分たちにしかその役目を果たすことが出来ない訳です。それを放棄する選択なわけですから。

東電の例を出して恐縮ですが、震災後、企業として忌み嫌われる様になった。
ただ、それだけではなく新たな「差別」が始まりました。
東電社員の娘だから採用は取り消し、婚約は解消。
東電社員の息子だから学校で苛められても当然。
これはすべて事実、当たり前にあった出来事です。

話を戻しましょう。
○○交通の部下たちは、総勢、数百名います。仮に300名として1家族4人計算で、1200名。
助かるはずの命を見殺しにした、その家族と国民の怒りは社長のみならず、1200人に降りかかるのです。

さて、支社長の出した答え。
8万人の命を助けるために、自分の部下たちから100名を選出し、ピストン輸送で8万人の命を救う、でした。
この判断によって、8万人の命は救われ、100人のバスの運転手は英雄視されました。

結果、この話はそんなに有名にも美談にもなっていません。
ですが、私は支社長の苦渋の選択も心の苦しみも判る気がします。
そして「行ってこい」の号令も、冷徹な判断ではない、と染み染み思います。

支社長にも、選択肢はあったのです。

① 当番制の運転手を行かせる
② 挙手制で個人の意見を尊重する。
③ 自ら指名して命令として行かせる。

支社長が選んだのは③でした。

これは、危機の時代のリーダーシップは過去、模範とされていた「民主型リーダーシップ」ではなく、「専制型リーダーシップ」の必要性を物語っていると私は感じています。

賛否両論はあるかも知れませんが、(私的に^^)とても面白くなって来たので、次回はリーダーシップ(3~6種類)を交えて支社長の選択のお話を掘り下げてみようかと思います。

今回も、お付き合いいただいて有難う御座いました!!

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