2013年9月8日日曜日

古典から学ぶ、成功への道~「平家物語」

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し。
猛き人もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

「祇園精舎の~」、で始まる平家物語の前説。有名なので、ご存知の方も多いと思います。
平家物語とは、古く日本で一時代をつくった、平家の栄華と没落を物語った、鎌倉時代に生まれたと言われる「軍記物語」です。

前説に続いては、言い伝えの「伝」。
古くから奢れるものは滅びるという具体例が書かれています。
その後には、「本文」
源平合戦などを含む詳細な、平家の栄華と没落までの軍記が記されています。
源義経や那須与一など、歴史上、有名な人物も数多く登場しています。
歴史物がお好きな方は、古典という概念から外れて、お読みになると面白いかも知れません。

さて、今回のお話はあくまでも、「古典から学ぶ、成功への道」
以上のテーマにお話をさせて頂きますので、軍記物語として重要な、本文の説明は致しません。
その理由は、最後まで読んで頂ければご理解いただけると存じます^^

さて、それでは前説の説明。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」
祇園精舎とは、古代インドのとある富豪が、釈迦(仏陀)のために建立した寺院であり、その寺の鐘の音はすべてのものが移り行き滅んでいくという諸行無常の響きを持っている、という意味です。
※ 諸行無常とは、仏教用語で、この世の万物は、絶えず変化をしており、一瞬たりとて同一性を保つ瞬間は無い、要するに鐘の音も、同じ様に聞こえて一打ちずつ、全く違う瞬間である、という意味です。

「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」
娑羅双樹とは、釈迦が入滅前に植えた木で、その後の成長・変化を続け、花の色も一つとして同一のものは無い。そしてどんなに美しい花びらであっても、必ず枯れ果てる運命にある。
それらが物語るように、この世に繁栄する全てのものは、いずれ無情にも滅んでいく。

「驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し」
今の時代を驕っている者もその隆盛の時期は長くない、ただ春の夜の束の間の夢のようなものだ。

「猛き人もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ」
強力で限界がない様に見える人間も、最後には滅びてしまうのだ。
それはただ、風の前で吹き飛ばされていく塵のようなものに過ぎない。

以上が、前説のご説明です。元々は琵琶法師による口述で伝えられた物語を後に文書にまとめた訳ですから、私の釈が必ずしも正しいとは言えないかもしれませんが、大まかに意味をお伝え出来ればと思っています^^

さて、この後は「伝」に移ります(原文の記述はせず、簡単な説明のみです)。
遠い外国(中国)の事例を見ても、秦の国も、漢の国も、梁も唐も、旧主の命令にも従わなかったため、短期間で国は滅んだ。
近き(日本)の例を見ても、平将門、藤原純友、康和の義親、平治の信頼など、そのはたらきはそれぞれあったが、結局は滅んでいった。
最も近い例では、六波羅の入道と呼ばれて前の太政大臣にもなった平清盛という人物…

そして、その後が本文。
実際の平家の栄華と没落までの物語を、時間軸で語る、というお話です。

さて、冒頭に書いた通り、平家物語とは軍記物語です。
「奢る平家は久しからず」という故事にもあるお話ですが、私が今回、何が言いたいのかというと、これを軍記物語として取るか、「古典から学ぶ教訓」として取るか、何を求めてこの古典を学ぶかはそれぞれでしょう。
ですが、経営者、指導者といわれる立場の方には、是非、「教訓」として受け取って欲しいと心から願います。

繰り返しますが、
「諸行無常とは、この世の万物は、絶えず変化をしており、一瞬たりとも同一性を保つ瞬間はない」
例えば、今、一瞬だけ最新と思える物事があるかもしれませんが、次の瞬間から、既に最新では無くなるのです。
私が主に活動する婚礼業界に例えて私が良くお話するのは、式場の建物は、オープン初日から老朽化が始まります。最新と思っているホスピタリティ・サービスも、競合が対策を練って真似、更に新しい取り組みをした時点で既に古くなる。少なくとも最新では無くなる。

要するに、変化にいかに対応出来るか、というお話です。

確かにこの世は、盛者必衰。ですが、その後に、「驕れる者久しからず」、とあります。
当たり前ですが、現状に満足し、奢り高ぶっていれば、新しいものを生み出すという発想すら失います。
企業とは、複合生命体。創始者がたとえ死んでも、その命を受け、引き継がれれば、一代で終わるなんて限りは有りません。

ところで平家物語が書かれたのは鎌倉時代。それから時を経て、江戸時代は、1603年の徳川家康の征夷大将軍就任から明治改元の、1868年まで、264年も続きました。
その後の、明治維新以降、日本という概念での国は、平成の今もなお続いているのです。
明治以降の近代日本において、元号は、大正・昭和・平成と変わりましたが、一時的な占領地としての時代を除いて、日本という国は、日本人による国造りが今もなお続いています。

時代とは常に変化します。勿論、驕り高ぶり「我が世」と謳う時代はとても短い。
しかし、その変化に対応出来れば、本当の意味で、進化を遂げ、成功への道へと近づくのではないでしょうか。

「古典から学ぶ、成功への道」
お伝えしたかったことが、もしも「成る程」と少しでも心に響いて下されば幸いです^^

最後に。
日本において、創業1000年を超える企業は、なんと6社もあります。
また、創業200年を超える企業は全世界41カ国で5586社。うち、3146社が、実は日本企業なのです。
日本は、他に例を見ない、企業長寿国。
古き不変(創始者の理念)を守るだけではなく、変化(時代に対応する)を遂げる。
それが、企業生命体を存続する秘訣なのは間違い無いでしょう。

それぞれが、それぞれの業種で、それぞれの文化とともに企業を守る。
そうすれば、日本は必ず復興します。
私は心から、そう信じております^^


2013年9月6日金曜日

感動の創り方~序章

真の、ホスピタリティ・サービスの実現を目指して~特別編

「感動の創り方~序章」

近年、新たに産業分類として登場してきた第5次産業。
日本では概念でしかありませんが、知的創造商品、

「教育・医療・福祉・保育・ホスピタリティ業など」。

いわゆる「感受産業・情緒産業」と云われるものが該当します。

私がメインでお仕事をしている結婚式もこの第五次産業に含まれるわけですが、日本で最も一般的な産業分類である、コーリン・クラークが提唱する「三大産業分類」の中では第三次産業。
卸・小売・サービス業などの無形財に含まれていました。

さてここまでで…
日本の厚生労働省で認められた産業分類の中には有りません。
コーリン・クラークの三大産業分類も世界的には古典的な産業分類のひとつです。
第五次産業は、日本では、あくまでも「概念」として捉えて下さい

私が結婚式を何故、第五次産業として捉えてお話をするか、また、講義をしているか、
曖昧な論説を嫌う方はどうか、この更新は飛ばして読んでくださいね^^

さて、結婚式の一番の売りは、料理でもハードでもサービスでも有りません。
お客様に求められる一番の商品は、いかに「感動」出来るかどうか
そこに尽きます。

一年以上前から式場を探し、数ヵ月間掛けて当日を迎える。
ホンの数時間の為に支払われる金額は数百万円単位です。
涙あり笑いありの結婚式。何よりも感動に包まれた結婚式です。

昔の様に、ただ単に料理を提供し、派手な演出をする。そして後半に感動的なシーンを盛り込む、それだけではお客様にご満足は頂けません。
何故ならば、結婚式当日において、おふたりは世界中で一番幸せでなければならないのです。

「友達の結婚式の方が楽しかったけど、まあまあ満足でした」
という結婚式を求めていらっしゃる花嫁さんを探すほうが難しい。

「○○さんが担当で良かった、□□(結婚式場)、最高!」
というお言葉を頂けるかどうか。
その原点にあるのはやはり忠恕(真心と思いやりの心)=仁の思いでなければなりません。

例えば、お客様がお打ち合わせにいらっしゃいます。
複数回のうち、たかだか一回のお打ち合わせの光景についてですが、当たり前に「感謝の気持ち」を持って、お出迎え、お見送りが出来ているかどうか。

お客様とのお約束の十五分前に全ての準備を済ましてエントランス前でお出迎え待機出来ているか、
お見送りは、お客様のお姿(またはお車)が完全に視界から外れるまで直立不動でお見送りが出来ているか。
お客様が背中を向けて歩き始めたても戻ってはいけません。
何故なら振り返った時にお客様は現実を見ます。
車が走り出したからと行って、事務所に戻ってはいけません。
バックミラーやサイドミラーで自分の姿は確認されている、と考えるべきです。

何故、そこまで?
当然です。何故ならばお客様は、「わざわざ」お打ち合わせの為に足を運んで下さっているから。

言ってしまえばパーティー会場内でのお打ち合わせなど、必要であったとしても一度で済みますよね。
ドレスのフィッティングや料理試食など必要の際は別として、その他のお打ち合わせは別に会場でなくても構わない訳ですから。

だって、保険の外交員はわざわざ足を運んでくれます。
車のディーラーだって、頼めば家まで来てくれます。
なのに、婚礼のお打ち合わせは家や近所の喫茶店までウェディングプランナーが出向きません。

勿論、夢の空間でお打ち合わせをすることによって、結婚式当日までのテンションを高めるという効果はあります。
しかし、わざわざ足を運んで下さっている以上、受け手に「感謝」の気持ちがなければ始まらない仕事です。

婚礼のアイテムは一々、高いです。車だったら何馬力でリッター何キロ走る、など、高い代わりに性能面など、一切漏れなく表示します。
婚礼のアイテムの場合は表示しません。
理由は、某テーマパークのアイドルキャラクターのファスナーを探さないのと同じ理由だと思ってください。

憧れだった結婚式の実現が第一優先、というお客様に対して高値で販売している訳ですから、詳細説明をして現実に戻すよりも、おふたりにとって、どのアイテムが必要で、どういう効果をもたらすか、など。

実はその品物よりも無形の、当日のシーンを販売し、購入して頂いている、というところに気づかなければなりません。

例えば、恋人が家に遊びに来る時。
真心と思いやりの心を持って、準備しますよね。
お部屋を片付けて好き嫌いを考えて料理を調理して。
サプライズで何か用意しよう、とか。
考えている方もワクワクしますよね^^

だから、「感動」が生まれる訳です。

結婚式とはルーティンワークです。
こういうと夢の無い表現かも知れませんが、ゴメンなさい。
100組いれば100通りのプランニングを。
なんて本当に出来るとしたら凄い存在ですね。
私にしてみれば、「ウォルト・ディズニー」並みのアイドルです(笑)
出来ない理由ではなく、そうしないもっとより良い方法があるからなのですが。

100通りのプランニングが出来ることが大切な訳ではなく、100組すべてに満足を頂けるプランニングをすることが大切な訳です

私の場合は、私独自で準備した、8パターンの顧客思考から、それぞれ組み合わせてご提案します。

ですので、タイトルにある、「感動の創り方」というのは、事前にシュミレーション出来る、仕組み・仕掛けがあるのです。

私はそれら知的財産を共有して行くことにより、日本婚礼文化を向上させたいという考えから、セミナーやコンサルタント業務を行うわけですが、原点にあるのは「感謝」。
それだけは間違ってはいけません。成る物も成りません。

前説としては、大変、長くなった「感動の創り方~序章」ですが、婚礼以外のお仕事にお就きの皆様においても、少しでもご参考になる部分があれば良いな、と思っています。

誠意と感謝を持って更新して行きたいと思いますので、今後共、どうぞ宜しくお願い申し上げます^^

真の、ホスピタリティ・サービスの実現を目指して~③

真の、ホスピタリティ・サービスの実現を目指して~③

皆さん、あらためて今晩は^^
今日は前回予告していた「感動の創り方」の前に、極めて営業的な側面からの、

「知的財産の共有による、組織としての営業力UP」

について、先ずお話させて頂きます。

婚礼業界でのお話。
もし、貴方が結婚を考えていて、結婚式場を選ぶとしたら、合計で何会場程、見学するでしょうか。

某上場企業発刊の結婚情報誌では、6~7会場見てから決定する、が平均と書かれていることが多いようですね。

例えば、もし仮に貴方がとある式場のウエディングプランナーで、
「式場見学は初めて」
というお客様が100組ご来館頂いたとした場合、その全てが初見だったとした場合、貴方がお客様にとって初めての見学ででご決定して頂ける確率は何%くらいだと思われますか?

結婚式とは一生に一度(そうでなくても大丈夫です^^)。基本、形に残らない買い物とすれば人生において最も高額な部類に入るかも知れません。

私の経験上での答えから書きますと、数ある中の会場からピックアップしたうちのひとつであり、「最低でも数件、観てから決めたい」花嫁が殆どで、「元々、気に入ったところがあれば他を見ないつもり」というケースは本当に稀です。

しかし、そう思って当然の中、実は、どんな敷所でも見学が1会場目の見学でご決定頂ける可能性は約80%はあります。
その会場が、どんなハードであっても基本的に関係ありません。

「ハードではなく、ハートなんですよ^^♡」
これ、本当に、です。

実際に私が手掛けた式場では、いずれも70%以上のチーム全体の初見決定率を誇ります。要するに他は見ずに決定するってことですよ。
ただ、それはハードの大小なんて全然関係ありません。
これは別に私の自慢では無いですよ^^ いえ、本当。
そうではなくベースにあるのは、

「いかに感動の瞬間を創り出し、お客様の心を揺さぶることが出来るか」
をチーム全体で共有できているかどうか。
ただ、それだけなのです。

もう一度書きます、自慢じゃないですよ(笑) 話の意図がズレますので。

私がウェディングプランナーとして最前線に出ていた頃、自らのトータル初見決定率は90%以上。
そして、もうひとつ。
もちろん同時多発的に同様なムーブメントはあったと思いますが、私自身がこの業界に「即決」という概念のスタンダード化、即決最優先の鉄則を持ち込んだ第一人者だと自負しております。
もう一度書きます(笑) しつこいですが本当にこれは違います、自慢とか!(笑)←本当にしつこいw

というのも、ここからが本題です。

婚礼という商品は、先程も書きましたが、決して簡単に決定できるほど安くはありません。むしろ、一生に一度と考えれば、熟考して当然のはず。
しかし、初めての会場見学でも、ご来館から二時間半で、即決ご成約の申込書をお客様に書いて頂く。それも気持ち良く、です。
何が、その決め手となるでしょうか。

1. 福本の接客がしつこくて、半監禁状態で申し込むまで返さないから
2. 福本の接客がねっとりしていて、もういいや、諦めた、とと思わせるから
3. 福本の接客が・・・

止めておきましょう…上記は全て、ハズレです、いえ、本当に違います、ハズです^^;

これは婚礼に関わらずですがどの販売品も殆ど一緒だと私は捉えていますが
(敢えて婚礼を選んだのは、かなり高額な部類に入るので)

何故、元々、決める気が無いお客様がご来館の後、決定の意思を記し、その日のうちに正式申し込みして下さるか。

理由は単純です。
お客様の想像の範疇を大きく超えたサプライズの数々の体感、ここにしか無い、運命と思って頂けるか、「超感動大作映画」を見終わった時より全然、「人生の分岐点、ここにする!」と思って頂けるほどの感動を与えて差し上げることが出来るか、
と、いうことです。

ですので、感動へ導くメカニズムと、気持ちよくご決定いただき大満足いただくノウハウを持っている。
これが一つ目の正解です。
これは次回、感動の創り方で、お話します。抽象例が中心です。
具体例を色々書くと、業界での私の仕事が一気に減るので(笑)

ふたつめは、ビジネスにおけるPDCAサイクルに「S」の概念を取り入れるからです。

P…Plan(常に企画・立案・計画を練る)
D…Do (実際に試行する)
C…Check(試行後、検証する)
A…Action(検証の結果、プラスと判断した場合、実行に移す)

これ、ビジネスの基本ですよね。これを繰り返すことによって、人も企業も成長するわけですが。

私の銘のうちに「知的財産の共有」という一文があります。

成功事例は、
S…Share(共有して、皆で実行に移す)
これがあって初めて、組織は大きく伸びると私は信じています。

営業・販売業とは、個人の力量がものをいう職業。
職人の世界と一緒で、一々、教えられず、「盗め」という前時代的な考え方がまだまだ、見受けられますよね。

例えば、人並み外れた成約率を持っているスタッフは何か特別なものを持っている訳ですよ。接客したカップルからの支持も多い。
これ、共有しなくてどうするんですか、というお話です。

企業とは複合生命体です。会社に貢献して報酬を貰う。
企業にて得たノウハウを、個人持ちする。それが推奨・黙認・通例化されている間はその企業は思うほど伸びないでしょう。

ひとり、飛び抜けたエースプランナーがいても、全体の成約率が低ければ、結局のところ、業界平均に毛が三本生えた程度です。
皆が同じ成功事例を共有。
見聞きし体感し、そしてチーム全体のノウハウとして接客に向かう

企業発展を望む場合、個人力の共有による均一化は、一番最初にやるべきこと、私はそう思いますよ。

「え?でも、それ、僕が生み出したアイデアだし…」

そういう考えなので、イマイチ伸びたいのです。
人に共有した後は、次することは決まっているのです。
「新たな取り組みのプランニング」
それ以外無いでしょう。
もちろん、私も関わった組織全てで、私のその時点で持てるノウハウの全て、そして考案中のアイデアもポーンと共有します。
「あら、太っ腹^^」これで誰か女子のファンでも増えて下さればイイのですが・・・。

・・・実際は少しだけ違います。
これは、どの結婚式場でも同じ話を繰り返しますが、

「結婚式場は、オープン初日から老朽化が始まる」

至極当然、当たり前のことです。
ただし、それはハードだけではなく、最新のサービス・サプライズを、と慢心していても、世の中で最も新しいのはその瞬間だけなんですよ。
だって、そのサプライズを受けたお客様が、次の式場に行き、前の式場で受けた感動をプランナーにしたら、根掘り葉掘り聞かれますよ。
そして、次の日には、偵察が送られるという(笑)
大手に物真似されたら、それがどんなサプライズであっても、中小は、見学順にも二番煎じ扱い。
その前にやるのは版権の確保?商標登録?そんなことやってたら更に取り残されます。

さて、最新のアイデアが成功して、共有実行化した時点で、次のサプライズを何時でも投入できるだけの準備。

これ、差別化とともに、競合を突き放すための、とても大切なファクターなのです。

ご新郎ご新婦様が緊張の中、結婚情報誌で気になっていた式場に行き、アンケートを書いたあと、パーティー会場へとご案内されたとしましょう。

1.館内では擦れ違うスタッフ全員が、お二人の名前を把握しており立ち止まりご挨拶します。
→ え?何で?びっくり?

2.スタッフによってパーティー会場のドアが開けられた瞬間、飛び込んでくる式場とともに、おふたりの思い出の曲が流れるのです
→ めっちゃ感動、すごーい!

館内の見学を終えてお席に戻ると、手書きのメッセージカードとともに、花嫁さんの好きな花が一輪、置かれています。
→ え?何で?いつの間に用意できたの?

先ず、心から感動してくださいますよ。
「え?何故?どうやったら?」
出来て当然。出来ない方がおかしいのです。
ですが、それらの自社独自のサプライズも次のシーズンには、成功事例は業界で当たり前になっていますよ。

才能には個人差があるかも知れません。しかし、アイデアには限界が無いのです。
「新たな百の気付きが、十の才能を、遥かに凌駕する」
ということです。
ですので次は、日々、「いかに感動して頂けることが出来るか」考える、です。

さて、当たり前ですので今回は書かないつもりでしたが、一番最後にもう一度書きます。

一番大切なのは「真心と思いやりの心」
お客様に対してだけではなく、会社に対する忠誠、組織・チームに対する貢献。
お客様を呼び捨てにしたり、日々やって来るうちのひと組と捉えルーティンでやっていれば、そりゃ、成功なんてするわけないのです。実際、多いのが本当に残念です。
また、成績の高いものを妬み、プライドが邪魔をしてノウハウの共有が出来ない、本当に勿体無い話です。

あ!!!
時間があったので気ままにこんなにも長く・・・それも、全てを伝えきれず(笑)→ということは、気が向いた時に、また更新します
大変、申し訳御座いません(本当に・・・)

さて、次回。

自然界が織り成す感動とは、魂を揺さぶり記憶に刻まれる程、心に響きます。
たとえば、高山の山頂から観た絶景、北の大地でのオーロラ。
身近なところでは日々、感じることの出来る朝日が昇る瞬間など。
そして何よりも感動的な瞬間とは、生命の誕生でしょう。

それでも何故、婚礼と葬儀は作られた感動であるプロに頼むのか。
そして上記に含め、終末医療、介護福祉などのホスピタリティなどが、何故、「感謝と感動」を同時に頂けるのか。
それらは次回以降、ゆっくりと更新していきたいと思います。

結局、また特別長くなってしまいました。
皆さん、最後までご拝読、誠に有難う御座います^^

真の、ホスピタリティ・サービスの実現を目指して~②



「ホスピタリティ・サービス力の継承・育成」

先月末、8月29日更新の、
高接遇サービス&ホスピタリティの現状~②
「ホスピタリティ・サービスという考え方」という更新の中で、ホスピタリティと、サービスの大きな違い、そしてその上で新しい概念である「ホスピタリティ・サービス」の提唱のお話をしました。

顧客に関して思いがけないサプライズと「ここまでしてくれるんだ」という感動、それこそ「ホスピタリティ・サービスが生み出す付加価値ですが、以上を概念として捉えた上で、いかにして「最高のおもてなし」を企業として実践して行くか。

さて、次回更新からは、「感動の創り方」と、少し肩の力を抜いた「人生を楽しみながら生きる」の、二つのテーマを交互にお話して行く予定ですが、今回は、ビジネスライクな指導職としての考えについて、少し固い話になりますがお許しくださいませ。

この世の中の「ホスピタリティ・サービス」の世界で生きる指導職の皆さんを拝見して多くに言えることですが、部下の育成に関して、営業戦士としては育てられても、お客様の琴線を揺さぶる様な感受性豊かなおもてなしスタッフに育てることに対して、苦手意識を持つ方が多く見受けられます。
もし、今、責任職相応の立場以上の方は一度、ご自分はどうか、考えてみてください^^

自分が新卒や若い頃は、「いかにお客様に喜んで頂けるか」、「どうすれば感動していただけるか」、そればかり考えていたはずなのに、立場が上がり現場を離れると、いつの間にか少々のことでは動じない、感動しない自分。そして、おもてなしの心が良く理解できない新卒生を「ゆとり世代だから」「最近の若い奴は」と、仕方ないな、と考えてしまう傾向が出てくる。
それは、老化の始まりですよ、注意してくださいね(笑)
あ。もちろん私も含めてです。怒らないでくださいね^^;

これは以前の更新でもお話しましたが、古代ピラミッドに象形文字で「最近の若いものは…」と書かれているそうです。
人類始まってから、悩みの種は変わりがない、ということなのです^^

私が言いたいのは、新卒が理解しない。それは時代のせいでもゆとり世代のせいでもない。
では何故か。

ホスピタリティ・サービスの世界で生きていらっしゃる指導職の皆さんは、「一期一会」「おもてなしの心」持っていて当然ですよね

ですが、新卒時から、その精神を理解していたでしょうか。頭では理解出来ていても具体的には、という方が殆どではないか、私は新卒面接を数千人と重ね、過去の経験から気付いたことなのですが、いきなり「一期一会」「おもてなしの心」を持ち合わせている人材は殆ど皆無と言って良い程、いません。

儒学の荀子の性悪説では無いですが、
「孔子も最初から聖人君子であった訳ではない」
要するに、学問と躾の重要性を学んで聖人となった、という考えですが、この点に関しては私も同意見です。
要するに知るか知らないか、だけです。
知らないことは悪では有りません。知って実践出来れば良いことなだけ。

いつの時代も指導者が、感動のメカニズムに対する原点(先ずは当人の心に衝撃を与え感じさせる事)から丁寧に理解させる。その対象は先ずは顧客ではなく自分の部下に対して。

育成対象者自らを感動させることが出来る育成方法が取られなければ、いきなり「一期一会・おもてなし」レベルには、はっきり言って行き着きません。

学校に例えると、「一期一会の精神の理解」は、高等学校レベルだと思いますよ^^
いえいえ、大袈裟では無く。
小中飛ばして高校からですから、いきなり求めても、本当の意味での「一期一会の精神」、「おもてなしの心」からは程遠い答えしか出ないということです。

それは私自身がこの世界に入った時、そうでしたもの。
正直、おぼろげにしか理解できていませんでしたから^^
原点が理解できてない訳ですから、実際にお客様に対して、おもてなしの押し付け、なんて結構ありましたね。何で思う様に喜んで頂けないんだ?みたく上から目線で。
結果、上手く行くはずが無く…。
私自身の、恥ずかしい過去です^^

さて、話を戻します。
真のホスピタリティ・サービスの育成に最も必要な項目。
それは先ずは「真心」、そして「思いやりの心」。
(しつこいですが、このふたつを合わせて忠恕=ちゅうじょ、と言います。「仁」の語源」

人間であれば基本的に持っている忠恕の心は、受験戦争や就職競争によって、多少なりとも曇ります。
社会人になって自らの組織にやって来たら、先ず、それをピカピカに磨き直す必要があるのです。

新卒者の感性を解放させ、自らが日々の業務に感動出来る様に仕向ける。
自分自身が体感し、感動して涙を流せる様なスタッフでなければ、顧客に対して本当の感動やサプライズを与えることは到底出来ません。
先ずは、自身の感性をむき出しにさせて、喜びも失敗の悲しみも、心全体で感じさせることが最も重要だと私は考えます。
そして真心。
損得無く自分が働いている理由は正直に何か、それが綺麗事でなく言えて、会社や顧客や仲間に対して、自分に出来ることを、心から行いたい、そう思わせることが出来る育成。

ちょっと余談で若い方々に大変、恐縮ですが、私は自身の感性に関しては若い方に負けることはありません。
それは常日頃から磨いているかどうか、ただそれだけなのです。

「感性を磨く?なんだそれ」
そうかも知れません。しかし、簡単に説明すると・・・

新卒生が元々持っている感性をむき出しにして感動する → 自分も一緒に感動する(その姿は先ず見せませんが(笑))

新入社員がお客様対応に緊張しながらも真心と思いやりの心を持って接する → 部下の成長に自分自身が感動して自ら成長する(部下の成長は、日々、感動の連続のはずです)

ただ、それだけのことなんですよね。
お陰で43歳が近づいた今でもまだ、発想力も行動力も若い子には負けません^^

「感性は人それぞれ。百人いたら百個の感性を持っている」
賛否両論あるのを前提で書きます。
ただ、私はこの言葉が正直、好きでは無いのですよ。
個性化の時代、と言いますが、個性推奨なんて戦後からずっと変わらずある。

私の少し前の時代の成人は「新人類」なんて呼ばれていましたね。
「なめ猫」の時代ですよ、「なめ猫」w。若い方は知らないか(笑)
もう20年以上前の話です。その頃流行った「新人類」という世代
ですが、それより古い世代からしてみたら理解できないと…。

時代や世代によって、真理は変わりません。
「だから、百通りの個性を認めるというのは、個人に責任を任せる」という、無責任な放任主義にしか私には聞こえないのです。
社会にて、部下を持つということは、師弟同行。少なからず、部下と部下の家族の人生を左右するわけです。

私はドライなのか、それとも自己判断範疇での育成をと考える為か、判断はお任せしますが、100通りなど先ず無理。
大まかに8つくらいに分類しています。
システマチックに分類分けをした後、その子、その子に対して本当に最大で8通りですね、それぞれ課題を出します。

結果、1ヶ月経った時。
皆、同じところで感動して、同じ方向を見て、仕事に対して同様に貪欲な姿勢を見せる様になる。

私は、セミナー講義の一環として、「感動のメカニズムを知り、理解させる」という項目にかなり時間を取ります。
ただそれは責任職向け。

一般職の人たちには、いかに感性をむき出しにして本来持つ、真心と思いやりの心を明らかにさせるか。

私がメインで活動する婚礼業を含む「ホスピタリティ・サービス」業は、新しい産業的に分類すると「第5次産業」で「情緒産業・感受産業」と言われるものです。
それを理解して、感動を商品にして営利団体として生きて行く。
綺麗事ではなく、それをしっかりと理解できれば原点には「感謝」しか生まれないはずです。

感謝こそ、最大の原動力。これは次回、テーマとして書きますね。

前回に引き続き、宣伝で申し訳御座いませんが、新人・中堅スタッフの企業人への育成。

「個人から企業人へ」のセミナーは、婚礼業務に関わらず、いわゆるサービス業(私の提唱するホスピタリティ・サービス業)で行っています。
少しでもご興味があれば、お気軽にお問い合わせくださいませ。

今回はめっちゃ、長くなってしまいました。
本当に申し訳御座いません。
読んで下さった方々、心から感謝致します^^

いつも有難う御座います!!

真の、ホスピタリティ・サービスの実現を目指して~①



「クレーム発生時こそ、顧客満足度Upの最大のチャンス」

良く、ピンチの後にチャンス有り、と言いますが、私の話は少し違います。
どちらかというと、攻撃は最大の防御、でしょうか。
Attack is the best form of defense

お伝えしたい意訳は、「先んずれば人を制す」です。

例えば、お客様からクレームやご意見を頂いた場合、受身による接客姿勢では全てが後手後手にまわります。

クレーム発生のメカニズムは至極、簡単。
その殆どは、「真心と思いやりの心」の無意識の欠如、ズレからです。
「厳しい!」と思われるかも知れませんが、いわゆる、注意力の低下、これは例外なく誰にでも当たり前に起こり得ることなのです。

常に、高接遇のホスピタリティ・サービスを目指していても、人間の注意力には限界があります。
どんなに優れた人材であっても、疲労や誤認、錯覚から人為的ミスを起こします。
これをヒューマンエラーと呼びますが、ここで指導者として間違ってはならないのが、必要なのは個人への意識の低さへの叱咤や罰ではなく、人材育成のチャンスと捉えることが出来るかどうか。

ひとつの事柄が起きた時点でひとつの事柄の対処のみ、ではなく、その事柄の発生が、
顧客満足度向上のチャンスであり、
クレーム発生当事者への育成のチャンスであり、
チーム全体の意識向上のチャンスとして捉えられるかどうか。

指導者のこの考え一つの変化で、組織は大きく変わります。

クレーム発生時、先ず行わなければならないのが現状の把握。
報告・連絡・相談は、「迅速・丁寧・確実」に。

仮に、結婚式場での一幕。
配膳スタッフが、手を滑らせグラスを落とし、ゲストのドレスにドリンクをこぼした。

良くある事です。
大体はフロアの責任者が出てきて謝罪。後日、クリーニング代を送金という話をして、結果、ゲストの遠慮で無かったことに。
ゲストの女性は「おめでたい席ですし」と、謝罪と代金の受け取りを拒みます。
そして、フロア責任者は役目を済ませ、すごすごと引き下がる訳ですが・・・
ですが、当たり前な話ですが、新婦の友人として列席するために、事前に全身コーディネートをして購入したドレス、残念な気持ちにならない訳がないですよね。
これ、当人の立場に立ってみれば間違いなく判ると思います^^

そこで、もうひとつの方法(いくつもあるうちのひとつですが)
すぐさまフィッティングルームに案内をし、事前に用意していた衣裳を無料でレンタルしていただく。
同時にドレスに併せたコサージュを、フローリストがチョイスします。
実は、急げばクリーニングも二次会までには余裕で仕上がります。

全然、無理な話ではない。特に数百万円という高額の婚礼が年間数百組あるのに対して準備しておいたパーティードレス数十着といざと言う時の特急料金込みのクリーニング代と華やかな気持ちを盛り上げるコサージュ代。
「費用対効果」で考えれば、はっきり言って只(ただ)みたいなものです。

① 責任者の謝罪で済ました場合
婚礼とはリピーターの無いビジネス。本当でしょうか?
ご自身が残念、と思った式場はご友人の誰にも勧めないでしょう。

② 即座に対応した場合
それこそ、残念な気持ちが、顧客満足度に変わる瞬間です。
もし仮にご自身の結婚式でチョイスしなかったとしても、違うご友人に候補のひとつとして紹介して頂けるかも知れない。

小さい様で、大きな違いが此処にあるのです。

特に婚礼ビジネスとは、買い直し、やり直しの効かない上で、人生にとって形の残らないものとしては最も高額な買い物であるという意識がスタッフ全体に備わっているか。
これは指導者の考え方次第ですが、
「出来ないリカバリーは無い」のです。

また、指導者のその姿勢はクレームを発生させた本人にとって後学のため、これ以上無い勉強の場になるでしょう。
そのこと自体を隠蔽するのではなく組織全体で共有することで、クレーム発生時の自分の属する組織の執る方向性と意味合いも理解が深まり、より組織力は強まって来ます。

婚礼に限らず、ですが、クレーム発生時に顧客の求めるものに対して正しい答えを迅速に提案するだけの力を持てるかどうか。
それは、すべて「事前の準備と危機意識」にあります。

そして、具体的な提案を出し続け、組織全体に共有していただくのが、真のホスピタリティ・サービスを提唱する私の仕事でもあります。
ご興味があれば、中小企業向け各種セミナーも行っております、ご連絡くださいませ♪

あ、つい自分の宣伝をしてしまいました^^ ←確信的に
たまには良いかな、という事で(笑)

高接遇サービス&ホスピタリティの現状~③



「時代の変化に気づき、対応出来る経営者こそ、次代へと繋ぐことが出来る」

頭から余談ですが、百貨店(デパート)とホテルのホスピタリティ・サービス(敢えて前回の更新以降、この表現を使います)の違いとして、良く具体例で挙げられるのが、施設内でお客様が転んだ際

百貨店 →「大丈夫ですか?お怪我は御座いませんか?」と駆け寄る。
ホテル →「大変申し訳御座いません。お怪我は御座いませんか?」と駆け寄る。

百貨店としてのホスピタリティ・サービスの否定ではなく、ホテルのホスピタリティの違いを表す具体例の一つですが、ホテルでは

「大切なお客様が、いつ、段差に躓くとも限らない。お客様が転んだのは私たちホテルパーソンの気遣いの足りなさ」
という王道の考え方なのだそうです。

それを聞いて、とあるホテルで試しにやってみました。「ズコーッ」と(笑)
飛んで来ましたね。
「大変、申し訳御座いません」は特にありませんでしたが、「お怪我は御座いませんか?」と、見事なホスピタリティ・サービスを感じた瞬間でした。

しかし最近、一流と言われるサービスも良くも悪くも変わって来たのを感じます。
※ 今回は良いと感じた話です。

「館内(ホテル内)は走らない」
当たり前の事ですが、新宿にある一流と言われるホテルのエントランスパーソンは、エレベーターホールで困ってると、走ってやって来ます。
ですが、その対応を受けていて気分は悪くないんですよ。
おそらくこれは現場レベルから提案が出たホスピタリティスタイルなのだと感じました。
現場と経営者とが、とても風通しの良いと評判のホテルのお話。

これは賛否両論あると思います。やはり「優雅に」と思われる方も多くいらっしゃると思います。

しかし、より一流との歴史あり、と言われるホテルのエントランスパーソンは、暇さえあれば無駄話に花を咲かせています。
走るどころか、気づかない。

大袈裟の様でそうで無いのですよ、もしかしたらマネージャークラスの立場にあれば逆に気づかないのかも知れませんね。
エントランスの脇で、客としてタバコ吸ってると気付くんです(笑)

おそらく、上記、ふたつのホテル。
集客にも今後、大きな差異が出てくるでしょう。
集客減には理由があります。

「準備が○で結果が×」

何故、そうなったのか。何故、大きな違いがあるのか。
大体が、準備が○、と思っていた○が×な訳です。

常に、自分たちの「ホスピタリティ・サービスは最新か」
「本当の真心と思いやりの心を持って行って、お客様に接していると言えるのか」

日々考える姿勢、常に追求している社風か、既に出来上がっているブランド力に慢心しているかどちらかなんですよね。

施設は、オープン初日から老朽化を始めます。
これは例外なく。
そして、最新と思われているソフト面であるブランド力(ホスピタリティ&サービス)も、常に競合に研究されている訳です。
自分たちだけのオリジナルが、明日になれば当たり前のサービスに変わっていた、なんてことは普通にあります。
プラス、慢心が、ブランド力の老朽化に加速を付けます。

会社が個人を守る時代は、震災とともに終焉を迎えました。
今は、個人が会社を守る時代。
いかに、従業員から新たな提案を出させるか。
本当に、経営者の意識ひとつ、それだけで大きく変わるのです。

古典・書経の康誥篇より

「康誥に曰く、新たにする民を作す、と。」

政治の要道とは、(王の)指導によって、創造性を持ち新たなものを生み出す気風の民を国中に育てること、とあります。
経営者の皆さんにお話させていただいているのは、
「集客減には必ず原因がある。また、経営者自ら導き出した集客に対する独自性の道は尽く(ことごとく)外れる」
という事です。

厳しい口調ではありますが、経営者が現場に降りることは出来ません。
集客だけは、机上でどれだけ論じても、現場が感じる肌感質には敵いません。

ですので、現場との風通しが良く、新しいものにチャレンジする姿勢の会社は伸び、過去のデータだけにこだわり、変化を嫌う会社は力を落としていく。

「諸行無常の響きあり」 
この世に常なるもの、永続するものなどは皆無であり、一切は変化の中にあるということです。
感性は鈍ります。しかし自分以下の人材の中に継なぎ育てれば良いだけのこと。
世の中の変化に伴い、次代を担うリーダーづくりこそ、王としての一番の仕事ではないでしょうか。

とは言っても経営学とは本当に難しいものです。
だんだんと話の論点がズレていく私の話ならなおさら(笑)
いつかまた、別のテーマでより掘り下げて書きたいと思います^^

高接遇サービス&ホスピタリティの現状~②



「ホスピタリティ・サービス」という考え方

有名な話なのでご存知の方も多いでしょうが、サービスとホスピタリティは全く違います。

サービスの語源はラテン語の 「servitus」から来ています。
意味は「奴隷」。
客と自分(給仕人)との関係は、「主従関係」で、対価は「チップ(古くは食事)」
古代ギリシャの文献を紐解くと、家畜と奴隷とは同じ扱いだったことがわかります。
今でもヨーロッパの文化の中に「金銭による(金銭の範疇による)『奴隷契約』」という風習はあらゆるところで残っています。

ではホスピタリティとは。
同じく語源はラテン語の「hospice」 から派生してきた言葉です。
意味は「客人の保護」など。
中世ヨーロッパにて、十字軍の兵士や旅人のためにカトリック教会が作ったのが、ホスピス。
客と自分(奉仕者)との関係は、「ゲストとホストの関係」。
ホスピスにて兵士や旅人に献身的に介護に当たる精神をホスピタリティと呼び、そこから今日の病院を指すホスピタルという言葉が出来たと言われています。

日本では大きく分けられることのないこのふたつの精神。
ホスピタリティ・サービスなんて造語もあるくらいですから。
ですが、勝手な私の考えで申し訳ないですが、このふたつ。
敢えて分ける必要は無いのでは、と考えています。

日本では、サービス精神や、おもてなしの心より先に、「真心」と「思いやり」の心を幼少の頃から学びます。
以前から書いてますように、真心とおもいやりの心=忠恕(ちゅうじょ)、一文字で表すと「仁」
それがそのまま日本独自のホスピタリティを生み出しているのだと私は考えています。

決して「おもてなし」の押し付けではない、自然体のホスピタリティ。
「金払ったんだから元は取らなきゃ」と感じさせないサービス。

というのが、私が幼少の頃、テレビのCMなどの影響で「お客様は神様です」というキャッチフレーズが大流行しました。
それは長きに渡り、サービス業を卑下させた言葉でもあると私は感じ捉えています。
「客は神様じゃないのか!」「お客様は神様じゃないの?」
そう凄む客と困り果てた店員の姿は、普通に街中で良く見かけた光景。
その後、ホスピタリティという言葉が流行し始め、上記のフレーズも自然的に聞かなくなりましたが。

間違いなく言っておきますが、お客様は神様ではありません。もちろんお金を運んでくれる何かでもありません。企業経営者であれば当たり前に知っておかなければならない事ですが。

さて、ホスピタリティ精神、と言っても、もちろん金銭は発生します。
特に高接遇のホスピタリティを受けたいと思えばその金額も一気に跳ね上がります。
東京(本当は千葉にある)某有名テーマパークで家族で一日に遣う金額はどこのテーマパークよりも高いですよね。
ですが、満足度ももちろん日本一です。
高い満足度に対して高い金銭を対価に求めることは、特に悪いことでは無いと考えますし、プロとして「頑張った」「十分なおもてなしをした」では、自己満足の世界から抜け出せません。

プロとしてお客様に頂いた金銭=サービスではなく、頂いた金銭、それ以上の満足度の提供。

それこそが、日本独自のホスピタリティとサービスの進む道。
造語ではありますが、真の「ホスピタリティ・サービス」ではないかと私は提案したいですね。

欧米がどうだ、語源がどうだ(言ったのは私ですが^^;)、ではなく、心のこもったおもてなし。
表裏がないから、「おもてなし」だそうです。
であれば、原点となるのは真心と思いやりの精神。

原点を培って、日本のおもてなし文化を育てて行きたいものです^^